森の学校と企業ボランティアの 協働プロジェクト コロナによる新しい生活様式での 「親子の自然体験」推進事業
はじめに
幼少期は、人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期で、五感や情緒の発達が目覚ましく、自己が確立する時期です。
この時期に自然とふれあうことは、子どもの心身の発達にとって重要かつ不可欠です。
現在、自然とのふれあいが不足し、子どもの成長に支障があらわれています。新型コロナウイルスによって人々の生活様式も考え方も変わりました。
子どもたちは、自分の家族のことだけではなく、周りの人、そして世界中の人のことを考え、行動するようになりました。
新型コロナウイルスと社会がどのように共生していくかは未知ですが、新しい社会に応じた「新しい子どもの環境教育」が必要です。
その新しいカタチを企業ボランティアの方々と一緒に調査・実施しました。
企業ボランティアの方々は趣旨に賛同してくださり共に未来を描きながら、積極的にアイディアを出し行動してくださり、プロジェクトを実現することができました。
深く感謝いたします。
今後は、森の学校の環境教育の実績と技術をベースに、今回の成果を発展させて「多様な生命が共に存在し続けることができる社会」を目指したいと思っております。
社会を変えるためには、多くの方々の力が必要です。ぜひみなさまのご賛同をお願い申し上げます。
幼少期は、人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期で、五感や情緒の発達が目覚ましく、自己が確立する時期です。
この時期に自然とふれあうことは、子どもの心身の発達にとって重要かつ不可欠です。
現在、自然とのふれあいが不足し、子どもの成長に支障があらわれています。新型コロナウイルスによって人々の生活様式も考え方も変わりました。
子どもたちは、自分の家族のことだけではなく、周りの人、そして世界中の人のことを考え、行動するようになりました。
新型コロナウイルスと社会がどのように共生していくかは未知ですが、新しい社会に応じた「新しい子どもの環境教育」が必要です。
その新しいカタチを企業ボランティアの方々と一緒に調査・実施しました。
企業ボランティアの方々は趣旨に賛同してくださり共に未来を描きながら、積極的にアイディアを出し行動してくださり、プロジェクトを実現することができました。
深く感謝いたします。
今後は、森の学校の環境教育の実績と技術をベースに、今回の成果を発展させて「多様な生命が共に存在し続けることができる社会」を目指したいと思っております。
社会を変えるためには、多くの方々の力が必要です。ぜひみなさまのご賛同をお願い申し上げます。
概要
森の学校は、新型コロナウイルスによってもたらされた「新しい生活様式」の中で
“自然とふれあい、親子の絆、命の大切さを感じてほしい”との思いで企業ボランティアの
みなさんといっしょにプロジェクトを実施しました。
森の学校は、新型コロナウイルスによってもたらされた「新しい生活様式」の中で “自然とふれあい、親子の絆、命の大切さを感じてほしい”との思いで企業ボランティアの みなさんといっしょにプロジェクトを実施しました。
コロナの影響前と影響下での「親子の自然体験」についてアンケート調査を実施。
- 対象者
- 3歳から小学6年生の子どもをもつ、テレワークを導入している特定の企業に勤める保護者(回答数555名、内有効回答数535名)
- 期 間
- 2021年7月14日(水)~8月19日(木)
オンラインとオフラインの組み合わせで、「自然体験型環境教育プログラム」を開発・実施。
- 参加者
- 東京都、神奈川県、大阪府、福岡県の10家族
- 日 程
- 2021年10月9日(土)
- プログラム
- ①竹とんぼ作り ②竹とんぼを飛ばそう! ③発表会
プロジェクトの全体を知る
(プロジェクトの各報告書)
森の学校のプロジェクト報告書を
ご希望の方はこちらから
保護者へのアンケート調査
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コロナの時代に入り親子の自然体験が減少。 完全在宅勤務の家庭が、 最も親子の自然体験をしていない。
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現在、約80%の親子が月に1~3日以下しか自然体験をしていない。 約92%の親が、親子の自然体験を増やしたいと考えている。
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お父さん、お母さんたちは自然体験を通して子どもの「好奇心・探求心」、 「感性・感受性」が高まることを求めている。
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自然体験のノウハウを身につけるのには、 「(自宅から)多少離れた、自然体験がしやすい場所」の人気が高い。
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身につけたい自然体験のノウハウは、 「レクリエーション」「キャンプ」「冒険遊び」の人気が高い。
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全体の65.8%の親は、子どもとの自然体験において何かしら困りごとを抱えている。 なかでも「自然の中での遊び方が分からない」親が多い。
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希望するプログラム参加費は、プログラムの準備や開催のためにかかる費用と比べて低い金額。環境教育の技術や知的価値が理解されているとはいえない結果。 自然体験を通して、子どもの成長に期待することは大きい一方で、経済的評価が低いことがわかった。
自由回答
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色々なことにチャレンジして怖がることなく、 活発な子になってほしいなと思うと同時に、今まで自然遊びを取り入れてなかった親としての反省点もかなり実感しております。
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家にいるとどうしてもYouTubeやテレビを見る時間が増えてしまいますが、できるだけ自然の中で遊び、自然の尊さや厳しさを学んで成長してほしいです。弊社がこちらの企画に協力していることを今回初めて知り、 そういった活動にとても感銘を受け、また誇りに思いました。開催があった際はぜひ参加したいと思います。
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在宅勤務が開始されてから家庭菜園や花をつかった色水などで、毎日おもしろい発見と経験をしていました。新型コロナウイルスの関係で行動範囲は制限されますが、 これからも自然の中で1人ではできないことや発見ができたらいいなと思います。
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自身が田舎出身のためか、あえて自然の中で遊ぶという発想がなかった。自身の子供時代を振り返ると自然の中で遊んだ経験が多く、自分の子供にも経験させてあげたい。家族と過ごす時間は無限ではなく有限。 その中で子供との関わり方は非常に重要なため、アンケート結果を基に更なる活動の展開に期待しております。
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田舎で育ったので、山に入ってクワガタやカブトムシなどを取ってました。そんな中で体力もつきますし、興味からどういった場所にクワガタ、カブトムシがいるのかなど調べたり、 また実際に想定した場所で発見したときの喜びなどの体験は、たしかに自己肯定感などが養われたような気がします。
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自然と触れ合うことで、前向きな思考や運動能力の育成にもつながると思っているので、 是非子供にはたくさんの自然体験をさせてあげたいと考えています。
考 察
在宅勤務の普及により親が子どもと一緒に過ごす時間が増え、親子の自然体験頻度が増えていると仮説をたてて調査をしました。
しかし、結果は仮説に反して頻度は減っていました。さらに、在宅勤務ほぼ100%の家庭が、最も親子の自然体験をしていませんでした。完全在宅勤務の人は「子どもといつでも遊ぶことができる」と思い遊ぶ頻度が減っている可能性や、通勤よりも在宅勤務のほうが働く時間が長く子どもと遊ぶ時間が減っている可能性も考えられます。
自然体験に関しては自然が豊かな場所での自然体験(実体験)を望む人が多く、オンラインはあまり重視されていないようでした。
五感を使う実体験は重要です。しかし、オンラインプログラムは開拓期です。特性を生かすことで有効なプログラム手法となる可能性が考えられます。
身につけたい自然体験と場所についての調査では、豊かな自然を必要とする自然体験(キャンプ、アウトドアスポーツなど)を希望する人ほど、
「より自然を感じられる場所」でのノウハウを身につけたいと希望していました。一方、それほど自然が豊かでなくても実現できる自然体験(草花遊び、生きもの観察など)を希望する人ほど、「身近な場所」を希望していました。つまり、親が求める「身につけたい場所の自然の豊かさと、自然体験ノウハウ」には矛盾がないことがわかり、子どもとの自然体験へのぶれがない意識がわかりました。
今後に関して、約92%の親が親子の自然体験を増やしたいと考え、自然体験を通して子どもの人間性が形成されることを期待する回答が多く、
自然体験への希望の高さがわかりました。一方、約65.8%の親が「自然の中での遊び方が分からない」「子どもとの遊び方が分からない」など子どもとの自然体験において何かしらの困りごとを抱えていました。さらに、それらの要求に対して、環境教育プログラムの経済的評価が低い結果となっています。環境教育を推進するにあたって、その意義や価値を伝えることや、専門家の育成等への課題が浮き彫りになりました。
子どもに求めることについて、今回の調査では「好奇心・探求心」「感性・感受性」が最も求められています。
しかし、2018年に森の学校が都心に居住する保護者410名に行った調査では「思いやりの心・他者への理解」が最も求められており、意識の違いがみられました。今後、新型コロナウイルスによる生活様式の変化により、親子の意識や行動も変化していくと考えられます。その変化についても引き続き注目していきたいと思います。
在宅勤務の普及により親が子どもと一緒に過ごす時間が増え、親子の自然体験頻度が増えていると仮説をたてて調査をしました。
しかし、結果は仮説に反して頻度は減っていました。さらに、在宅勤務ほぼ100%の家庭が、最も親子の自然体験をしていませんでした。完全在宅勤務の人は「子どもといつでも遊ぶことができる」と思い遊ぶ頻度が減っている可能性や、通勤よりも在宅勤務のほうが働く時間が長く子どもと遊ぶ時間が減っている可能性も考えられます。
自然体験に関しては自然が豊かな場所での自然体験(実体験)を望む人が多く、オンラインはあまり重視されていないようでした。
五感を使う実体験は重要です。しかし、オンラインプログラムは開拓期です。特性を生かすことで有効なプログラム手法となる可能性が考えられます。
身につけたい自然体験と場所についての調査では、豊かな自然を必要とする自然体験(キャンプ、アウトドアスポーツなど)を希望する人ほど、
「より自然を感じられる場所」でのノウハウを身につけたいと希望していました。一方、それほど自然が豊かでなくても実現できる自然体験(草花遊び、生きもの観察など)を希望する人ほど、「身近な場所」を希望していました。つまり、親が求める「身につけたい場所の自然の豊かさと、自然体験ノウハウ」には矛盾がないことがわかり、子どもとの自然体験へのぶれがない意識がわかりました。
今後に関して、約92%の親が親子の自然体験を増やしたいと考え、自然体験を通して子どもの人間性が形成されることを期待する回答が多く、
自然体験への希望の高さがわかりました。一方、約65.8%の親が「自然の中での遊び方が分からない」「子どもとの遊び方が分からない」など子どもとの自然体験において何かしらの困りごとを抱えていました。さらに、それらの要求に対して、環境教育プログラムの経済的評価が低い結果となっています。環境教育を推進するにあたって、その意義や価値を伝えることや、専門家の育成等への課題が浮き彫りになりました。
子どもに求めることについて、今回の調査では「好奇心・探求心」「感性・感受性」が最も求められています。
しかし、2018年に森の学校が都心に居住する保護者410名に行った調査では「思いやりの心・他者への理解」が最も求められており、意識の違いがみられました。今後、新型コロナウイルスによる生活様式の変化により、親子の意識や行動も変化していくと考えられます。その変化についても引き続き注目していきたいと思います。
環境教育プログラム開発
リモート&オンライン
withコロナの新しい生活様式の中で、「日本各地の親子とつながりながら、みんなで一緒に自然遊びができたらすごいよね」との思いから、
リモートでオンライン環境を使って“親子の自然遊び”を開催しました。
- 参加者
- 東京都、神奈川県、大阪府、福岡県の10家族
- 日程
- 2021年10月9日(土)
- プログラム
- ①竹とんぼ作り ②竹とんぼを飛ばそう! ③発表会
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名前で呼ばれて、褒められたことが嬉しかったみたいで、自分で作った竹とんぼは宝箱に入れて大事にしていました。
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翌日も家で竹とんぼを触っており、なぜ飛ぶのか?について関心を持っているようです。
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次の日も竹とんぼを飛ばしに行こうと公園に誘われて、一緒に遊びにいきました。何回も飛ばして楽しそうでした。